THE ROAD TO NEW YORK ~ニューヨークへの道~
episode 2
その男性、書道家龍玄氏と話すと、とても気さくで面白くて楽しい。
聞けば龍玄氏は三浦海岸にギャラリー兼自宅を構えていると言う。
すっかり気分が良くなった俺は図々しくもこう言った。
『今度、三浦海岸の御自宅に遊びに行っても良いですか?』
龍玄氏はこう言った。
『どうぞ、どうぞ!ぜひいらしてください!』
ありがとうございます!それじゃ今度ぜひ!
素敵な個展のお礼と共にそう言い残し、その日はそのまま遊びに行く日程は決めずに別れた。
そして数週間が過ぎたその月の終わり。
通勤のため最寄りの駅に向かう途中、ポケットの中のiPhoneが鳴った。
取り出して画面を見ると、Facebookメッセンジャーの電話が鳴っていた。
正確に言うと、誰かに間違って掛けてしまっていた。
名前を見ると、曽布川弘州と書いてある。
書道家龍玄氏の本名だ。
慌てて電話を切り、お詫びのメッセージを送った。
『すみません!間違って掛けてしまいました!』
『は~い。かしこまりました(笑)』
笑って許してくれた龍玄氏に俺はさらに直感でこう送った。
『これは遊びに行けって事ですかね~?』
龍玄氏の返事はこうだった。
『そうだと思いますよ。』
そこで改めて日程を調整してくださり、俺が遊びに行く日が決まった。
6月25日。
その日、俺の人生が大きく動いた。
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